【coast to coast】
世界最高峰NBAで、ようやくふたりの日本選手が対峙した。ウィザーズ八村塁とラプターズ渡邊雄太。広大な大陸を舞台に約半年間に渡る長く熱いシーズン、その中の1試合、ほんの数分間、ふたりはコートでマッチアップし、また別れ別れになって、次の戦いの為に、遠くの街へと旅立っていく。
実にロマンチックで、正にアメリカ的なNBAの日常風景を感じられたJapanese Heritage Night。試合会場の雰囲気も素晴らしい。NBA各チームの試合会場となる「ホームアリーナ」は個性豊かで、中継画面からも観戦の楽しさがヒシヒシと伝わってくる。プロスポーツをエンターメントとして成り立たせているアメリカの底力が試合会場からも感じられる。それはMLB、NHL、NFL、そしてMSG=マジソンスクウェアガーデンなどボクシングや各種格闘技の試合会場を見ても惚れ惚れする。
さて我が国の屋内スポーツは…。
Bリーグ、Tリーグ、Vリーグ、Fリーグ、そしてハンドボール。更にバドミトン、体操、柔道、空手、テコンドー、ダンス、ボッチャ、車いすラグビー、車いすバスケット、ウェイトリフティング等々、屋根付き会場で開催される競技は数多ある。
しかし「アリーナ」と呼べる屋根付き会場は何軒、あるだろう。
我が国は、ほぼ「体育館」。
スポーツ庁が2019年に調べた「一般の利用に供する目的で地方公共団体,独立行政法人又は民間が設置したスポーツ施設」で、学校の施設や企業職員の福利・厚生用の施設は含んでいない。全国の体育館数は9,097軒。
「体育館」はあるけれど、観客を招く空間「アリーナ」は実に少ない。数少ないアリーナの使用を巡るやりとりは、熾烈なようだ。東京五輪を梃子に勢いを付けようともくろむ国内のプロスポーツ団体は会場確保とスポンサー確保に頭を悩ませていると聞く。
世界に先駆けて同じ「アリーナ」で”異種競技が合同開催”するのも一考かと思う。
狭いニッポン、みんなで使うの、どうでしょう。