11/24(水)【太平洋ひとりぼっち】1962年、23歳の堀江謙一青年が世界で初めて単独無寄港太平洋横断をした。パスポートもないままに海に漕ぎ出し果敢に大海原を渡り切った無名の青年の冒険は列島を熱くした。94日間の冒険記は出版され、映画化もされた。あれから約60年。83歳となった堀江謙一さんが当時のゴール地点・サンフランシスコから単独無寄港太平洋横断に挑戦するという。たったひとりでの長き航海、果たして孤立無援の極限状況を乗り越えて、快挙達成となるのか。
ただ、手放しで挑戦を称えるのは如何なものか。
堀江さんの最新の航海は2008年、ブランクは10年以上。つまり70歳半ばからの長い空白が、今回の挑戦の前に横たわっている。
二十代でも危険な旅路。80歳を過ぎたら運転免許証返納を推奨される時代。83歳の冒険を諫める人が周辺にいなかったのか。
「冒険とは生きて帰ってくること」と語っていた世界的冒険家・植村直己さんが冬期マッキンリー単独登頂で消息を絶ったのは男盛りの43歳だった。
自然の厳しさを最も知る堀江さん、明日からは、83歳の航海に向け、多くの準備が待っている。