南半球で世界選手権が始まっている。アフリカ大陸の卓球人口が果たしてどのくらいなのか。アフリカでインドアスポーツが根付くのは、残念ながら絶望的、大困難だと思う。体育館以外にも空調、冷房、そして卓球台をはじめとしたラケットやシューズなどの用具揃えるのは大変なことだ。

北半球の東の端、日本卓球の聖地のひとつ 代々木第2体育館で春季・関東学生リーグが行われている。入場無料、観客席は大手を広げて、ギャラリーお越しを待っている。

代々木第2体育館は卓球、バスケット、バレーボール、レスリングなどを観戦するのには国内でも指折りの「丁度良さ」を誇る。箱自体の大きさ、観客席の数、そしてアリーナの距離感と傾斜、駅からの距離と経路の景観等々。五輪の選考会、予選大会、そして学生インドアスポーツの要衝だった。卓球ならば全日本の上位選手のみが出場できる「トップ12」が開かれていた。当時は卓球では数少ない賞金大会。優勝賞金は100万円、しかも1日大会だった。

五輪招致が始まるころから卓球界は随分と変わってしまった。

遠路、南半球にまで行かずとも熱い戦いは代々木にある。観戦の前後には明治神宮にも参拝できる。

賞金もない、入場料金もないが、学生たちの無償の汗が迸っている。観戦には最適な日本屈指の体育館。1964年、東京五輪でも大役を果たし、今も現役の代々木第2体育館。空席のままでは、勿体ない。